樫井川

大阪湾流入河川  ・樫井川水系二級河川 訓:かしいがわ
樫井川支流 犬鳴川 ・天神川 ・新家川

 大阪府泉佐野市と和歌山県打田町境の紀泉の山に発し、泉佐野市南部の丘陵地帯を流れ、泉南市北部で大阪湾に注ぐ川。
起点は泉佐野市大木。全長約16.3km。
 和歌山県打田町北部の紀泉自然公園に発する二瀬川と、泉佐野市南境の和泉山地に発する犬鳴川が犬鳴山で合わさり樫井川となる。
このあと山中を蛇行しながら北西流し泉佐野市南部の丘陵の裾を洗い、平地に出てからは泉佐野市と泉南市の境をなして流れ、泉南市岡田で大阪湾に流入する。

■ 上流

和歌山県打田町神通  二瀬川

神通温泉 樫井川の源は、紀州の山中にある。
犬鳴川と合流する前、和歌山県打田町を流れる際は二瀬川と称される。
粉河街道へ出てくる前は上写真のごとくの渓流。
街道と川が会うところには神通温泉(左写真)がある。

県境付近 犬鳴山温泉

淵 県境付近では、街道沿いに深い峡谷を刻む。
容易に近づけぬ谷には深淵も見られる。
採石場などがある山地を大阪に向くと、犬鳴山温泉が現れる。
温泉街は谷沿いにびっしりと立ち並ぶ。

泉佐野市上大木

 大木の里でも、まだ谷は深い。一枚岩を削る渓谷が里を下る。
谷を堰いた用水が里に配されてゆく。

泉佐野市土丸

阪和高速 阪和自動車道が谷を跨ぐ付近から、川はそろそろ山地を出てゆく。
河床の石は丸みを帯び、よく砂を流す。
←左は土丸の里から阪和道の高架

■ 中流

泉佐野市上之郷

バルーンダム 山を出た川は、土丸から上之郷まで山裾を巡りつつ川幅を広げてゆく。
広い河川敷を持ち、大規模堰堤による湛水区間と、堰下の草河原を繰り返す川相となる。
河畔には旺盛に草が茂り、大きな水鳥の姿が目立つようになる。

■ 下流

泉南市北野 国道26号新樫井川大橋から 左上流、右下流望

アオサギ 上之郷から下では、平地を大きく曲折して流れてゆく。
国道24号が渡る付近では、堤の高い天井川を呈する。
広い高水敷が見られるようになり、堰堤も数多く設けられる。
河床は砂がちで浅い。

泉南市岡田 江永橋から上流方向
青い鉄橋は南海本線
最下流部 天井川の堤

■ 河口

泉南市岡田6丁目の右岸から 左上流、右下流望
右写真奥の橋は63号泉佐野岩出線の橋梁

 樫井川は河口に顕著な三角州をつくる。
現在は関空建設に際しての開発で元の汀線は失われたが、両岸の団地の区割に痕跡が見られる。
江包橋から下では、潮の気配が濃い。

海岸から上流望 橋は63号 渚を突っ切る流れ
海へ向かう流れ
流れ入る川 押し戻す波

 いよいよ海に向かう流れは、粗い礫から成る州を突っ切ってゆく。
最後まで澄んだ流水が、海の波とせめぎ合うさまが観察できる。
沖合には関空連絡橋や空港が望まれる。
この浜では、潮干狩りをする人たちの姿も見られる。


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